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湖の畔では今一人の燃えるような赤毛の少年を十数人の兵士が取り囲んでいた。盾と剣が交差してる王都の紋章が肩についた鎧を着ている。持っている獲物はそれぞれである。
「ちょっと……、僕おいてリリーさんどこいったの!? 僕一人!?」
少年は晴天に向かって叫んだが虚しさが増すだけであった。
「時間稼ぎ任した、って言われたけど……」
背後の太い槍を持った兵士が襲いかかる。少年は動く気配は見えない。
「……だるいよ」
刹那、兵士は宙を舞い、少年はいつの間にか体を曲げ右足を上げた体制になっていた。
まるで回し蹴りをしたかのように。
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