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ある日のことだった
ローダ様に結婚の申し出がきた
相手の男性は歴史ある貴族の当主だった
「キセナ、私はどうするべきなのだろう…」
ローダ様は私に言ったのではない
そっと呟いた
「あのソーラム家の当主と結婚すれば、我がアモン家もより大きな貴族になれるだろう」
ローダ様はつらそうに言葉を紡ぐ
そのような顔をしないでください
常に笑っていてください
鈴のような美しい声に、そのような言葉は似合いません
鈴のような美しい声で、常に笑っていてください
「キセナ、私はどうするべきなのだろう…」
そのローダ様の言葉は私に向けられた
ローダ様、私に何を言ってほしいのですか?
私はあなたが幸せならいいのです
ローダ様、笑ってください
「ローダ様は今回の結婚が嫌なのですか?」
ローダ様、私はあなたが幸せに結婚なされるのなら喜びましょう
しかし、あなたが苦しむのであれば、私はあなたをお守りします
ローダ様、ご安心ください
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