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席に着こうとした仁王くんが、珍しく驚いた声で言った。
仁王
「青川が居るなんて珍しいの」
沙羅
「…別に」
言われるのは当然。
普段HRの時間から居ない沙羅はこの時間に、教室に居ることは珍しいしなぁ…
沙羅
「…私に関わらないでね。
面倒なのは嫌いだから」
そう言うと、沙羅は鞄を持って颯爽と教室から出て行った。
仁王
「ブンちゃん」
丸井
「何だよぃ」
仁王
「面白い奴を見つけたぜよ」
"面白い奴"
さしずめ沙羅のことだろう。
「面白い奴って沙羅?」
仁王
「ああ。何となく、どっかで見たことあるような感じじゃの。
ビデオか何かでの…」
仁王くん…鋭いなぁ…
ビデオは世界大会のだろうな。
あれは素顔でやってるのに…
私は勿論、帽子を深く被って、顔を隠してるから☆
「そうなの?
もしかしてビデオってテニスの?」
仁王
「そうぜよ」
丸井
「あー!この前見たやつか」
やっぱりかよ!!
柳くんがビデオ入手したのかな?やっぱり参謀だし。
「テニスのビデオなんか見るんだ」
丸井
「真田がトッププロの試合を見るのも1つの練習だって」
仁王
「持ってきたんは参謀じゃよ」
なるほど。
ビンゴじゃね?
「どうだった?」
仁王
「まさか男女混合のシングルスの優勝者が女とはの…
名前は春宮瞳…」
丸井
「ダブルスも春宮瞳と…えーと誰だったっけよぃ;;
…桜…何とか!!」
桜井凛です。
なんて言えないよ。
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