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目の前一面銀世界―― 染まるは白いろ真冬の世界 月は蒼色何時までも満月がその場を照す。 真白に染まる僕の身体。 まるで兎みたいだ。 でも髪と瞳の色が異質。 僕はそう蔑まされてきた。 昔から親なんていない。 僕は捨てられたんだと悟った。 この真冬の国に。 僕は一人きり。 だってここは――岩のなかに丁寧にほられた―――― 牢屋だから。
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