桜並木
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ある晴れた春の日。春一番が吹き、真新しいランドセルが小学校の校門前に群れを成す日。 真新しい制服に身を包んだ楠木大輔は、これからの三年間を過ごす高校への道を急いでいた。 「流石に入学式の日に遅刻はまずいよな……」 一人呟いた言葉には、後悔や焦りの色よりも落胆の色の方が濃く出ていた。 よく見ないと分からない差だが、心なしか自転車を漕ぐ足に力が無いようにも見える。
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