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街の中は雑音で満たされていた。しかし、そんな日常が俺の心を満たしている。そう思うとこの雑音も心地良いものになる。
「・・・・・・」
『ここにいる全ての人が居なくなれば良いのに』
小さい時に願ってしまった俺の夢だ。それは今でも俺の心を、固く、きつく縛り上げている。
「・・・・・・俺が消えてしまえば良いのに」
精神的に成長を遂げた俺は最近そんなことを思うようになった。
~10年前~
息苦しさで目が覚めた。何日間こんな風に目が覚めただろう。
「くっ・・・・・・うっ、つぅ」
身体中に別の生き物が侵入しているみたいな不快感と痛みが何日も続いている。
何故こんなに苦しいんだろう。何でこんなに痛いんだろう。
「何で・・・何で僕だけ・・・・・・」
そうして思ってしまった。赦されない一つの願い。
「ほかの人も・・・・・・みんなも苦しめば良いのに!」
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