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「翼~、検索してもらったけど、この世界の翼はギルドに登録してないみたいよ。」
「そっかぁ~、結局振り出しに戻ったか。」
「ねえ、どうせならギルドに登録しとかない?そうすればこの世界の事がわかると思うんだけど。」
「そうだな…。あの~、すいません。ギルドに登録したいんですけど。」
俺はカウンターの受付係の人に話しかけた。
「それでしたら、まずはこの紙を記入してきて下さい。」
そう言われて俺は紙とボールペンを受け取り、近くの椅子に座って紙に記入した。とりあえず、元の世界の住所だけど大丈夫………多分。
「それでは、魔力の適性検査を行います。では、この水晶を握って下さい。」
そう言われて俺は、掌にすっぽりと入るくらいの透き通った水晶を受け取り、言われた通りに握った。すると、水晶は赤い輝きを放っていた。
「おめでとうございます。赤色に光って……あれ?」
すると水晶はみるみる光を失いかなり薄い緑色の光を放ちだした。
「え?何、故障ですか?」
「いいえ。故障ではなく貴方さっき誰かから魔力を貰いませんでしたか?」
「「ああ!?」」
「俺の顔の怪我を治して貰うために火織から魔力を貰ったばっかりじゃん!」
「それでしたら、今光っているのが貴方本来の魔力です。緑色光っているため属性は風ですがかなり光が弱いため、前線で戦うのはむりかと……」
「いや、彼は前線で戦わせるべきだ。」
すると、後ろから男の声がした。振り返ると、年は俺と同じくらいで眼鏡をかけた少年が立っていた。
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