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次に俺が目を覚ましたのは病院ではなく、自分が住んでいる町にある山の中にねっころがっていた。
「………はっ!?此処は?そうだ、怪我は!」
体を立たして自分の身の回りを確認すると、家を出たときと同じ姿で体も無傷だった。さらに、横には俺が学校へ持って行く荷物も傷一つ無く置かれていた。
「どうして………俺に一体何が?」
そう呟き俺の今置かれている状況を整理していると、背後の草むらから何かが動く音がした。
慌てて後ろを振り返ってみると、そこには俺と同じ歳くらいの赤髪でポニーテールをした女の子が立っていた。
「あ……あのこk」
「君!此処はギルド特別指定区域だってしらないの!?」
女の子はいきなり俺の近くまできて大声で怒鳴り始めた。
「え……あの」
「とにかく此処から早く出るの!」
「いや…だから」
「ほら、ずべこべ言わずに!!」
そう言って、俺の右手の手首をかなり強い力で掴んで引っ張って行く。
「人の話しを………聞けぇ!!!」
そう叫んで女の子の手を無理矢理に振りほどく。すると女の子はこっちを向いて不機嫌そうな目つきでこっちを見てきた。
「何?なんか文句でも?」
「おおありじゃ!ボケ!!」
とりあえず、俺が此処にいる理由を説明した。
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