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「………成る程、さっぱりね。」
「だよな~、なあ悪いけどさっきお前が言ってた【ギルド】って何?」
「はぁ!?アンタ、車にはねられた時に記憶でも無くした?」
少女は身を乗り出して言ってきた。感情の起伏が激しい奴だな。
「だ、だってギルドなんてゲームでしか聞いた事無いしさ~(汗」
「はぁ……、こんな事小学生でも知ってるわよ。いい?ギルドっていうのは…」
不意にそこで少女は黙ってしまった。
「どうした?」
「シッ、黙ってて。アンタ、【魔装】出せる?」
少女はまた俺の知らない単語を言い出してきたが、少女の目は真剣な目つきになり、少女の言っている事は嘘で無いように感じた。
「と、取り合えずお前が言ってた魔装なんて物は持っていない。」
「そう、なら後ろに下がっていて。来るわよ。」
そう少女が言った後、草むらからまさにゲームに出てくるような一匹のオオカミが飛び出してきた。
「おい、この山にはオオカミなんか出ないぞ!」
俺は昔からこの山に友達と一緒に遊びに来た事があるがこのような狼には一度も遭遇したことがなかった。
「どういう事?アンタ、【魔獣】知らないの!?」
少女はさっきとは違い今度はかなり驚いていた。
「取り合えず下がってて!火炎重槍!」
少女はそう叫ぶと、右手に少女の体格には不釣り合いな中世の騎士が持つような槍が出現した。
「グルルルル……」
草むらから出てきた狼は威嚇するように歯を剥き出しにし、体勢を低くした。
「先手必勝!!」
少女がそう叫んだ途端、槍の後方から炎が噴き出し、狼へ突っ込んでいく。
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