目覚めと出発

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それを見た狼は驚いてしまい、体勢を上げて、そのまま腹を少女に突き刺され、後ろの大木に衝突した。 「す、凄い……」 俺はその光景をただ眺めるだけだった。 「ふぅ……、取り合えず倒せたわね。ねぇアンタ、魔獣知らないし、見た事無いって言ってたよね?」 「あ、ああ。今日此処でみるまでわな。」 「多分…だけど、此処はアンタから見ると【パラレルワールド】なんだと思う。」 「…………………はぇ?」 マジで頭を打ったのかも知れない。そう俺は思っていた。 「いい?アンタはこの世界の人間では無いと思う理由はちゃんとあるのよ?………だからそんなに頭木に打ち付けないで。本当に死んじゃうから。」 気がつけば俺は近くにあった木に頭を打ち付けていた。 「す、済まないつい無意識に」 「はぁ……、説明するわよ。っとその前に自己紹介がまだだったね。私の名前は朝倉 火織。よろしくね。」 少女はニッコリと笑いながら右手を出して俺に握手を求めてきた。 だが、俺は握手を返せなかった。なぜなら、夢で見ていたシーンとあまりにも似すぎていて焦っていたからだ。 「ん?どうしたの?」 「あ…、俺の名前は雨宮 翼。よろしく。」 俺は朝倉火織と握手を交わした。しかし俺の中からは違和感は消えなかった。
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