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嫌いだった太陽。
でも月の光の中じゃ、あの人には会えない。
だから、大嫌いだった太陽が大好きになった。
そんな太陽の暖かい光で、私はいつしか眠りについていた。
起きた時には、時計の針は昼過ぎを指していて…。
あの人は…!?
あの公園に、あの人は来ているだろうか?
眠い目を擦り、公園を見た彼女の顔は笑顔で溢れた。
何故か薔薇の花束を抱えた彼が、昨日と同じベンチに座っていた。
あら、あなたも薔薇の花?お揃いね?
彼女は心の中で彼に語りかけた。
薔薇…綺麗よね。あなたの好きな花は薔薇なのね。
椅子から立ち上がり、窓に近付いた。
わたしもね、薔薇の花大好きよ。だから、お部屋を薔薇の花いっぱいにしようかしら。
彼は彼女の事を知らない。
しかし彼女は溺れてしまった。
彼に…。
そして何より、人を愛しはじめた自分自身に…。
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