見付けた私の王子様

5/5
前へ
/70ページ
次へ
嫌いだった太陽。 でも月の光の中じゃ、あの人には会えない。 だから、大嫌いだった太陽が大好きになった。 そんな太陽の暖かい光で、私はいつしか眠りについていた。 起きた時には、時計の針は昼過ぎを指していて…。 あの人は…!? あの公園に、あの人は来ているだろうか? 眠い目を擦り、公園を見た彼女の顔は笑顔で溢れた。 何故か薔薇の花束を抱えた彼が、昨日と同じベンチに座っていた。 あら、あなたも薔薇の花?お揃いね? 彼女は心の中で彼に語りかけた。 薔薇…綺麗よね。あなたの好きな花は薔薇なのね。 椅子から立ち上がり、窓に近付いた。 わたしもね、薔薇の花大好きよ。だから、お部屋を薔薇の花いっぱいにしようかしら。 彼は彼女の事を知らない。 しかし彼女は溺れてしまった。 彼に…。 そして何より、人を愛しはじめた自分自身に…。
/70ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加