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ごめんね、と初めて言った相手は男だった。言った俺ももちろん男だ。告白してきたのは中肉中背で、何の取り柄もないけれど何の汚点もないようなヤツ。正直にいって俺はテレビで見るような乙女みたいなのを想像していたから、そいつがゲイだってのは告白されなければ絶対に気づかなかったね。あれはオカマだよって誰かに言われた気がする。 それを言われたにしても、次にはムキムキマッチョで短髪の選択肢が浮かんだだけで、根本的にはなにも変わらない。要は奴らも人間ってこと。 告白の彼は残念ながら俺の大親友で、そりゃあ少しは驚いたけど、なんだかそれ以降も普通。 だって、謝ったあとも何の気無しに俺のコーラの缶振りやがった。断った代償だとさ。呆気なさにこっちがやってらんない。でも、明日も隣にいるのは俺で。辛くねえのかな、マジ。
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