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「で、きっかけはなんだよ」 「なに? そんなにきになります」 口を押さえて笑う。袖に手が埋まっていて、暖かそう。……じゃなくて。 「そりゃあ気になるでしょうさ。大、大、大ッ親友がそんなこと暴露したら。例えば……実は俺、女でしたー……みたいな」 「いつから?」 「いつからって、性別なんてんなもん最初からだろ。まあ実際のところ男だけどな」 「チッ」 にこにこしながら舌打ちするのやめていただけますか? 俺はポッキーをまた一本、くわえる。 外見に関しては大抵のことが普通でまかり通ってしまうこいつに対して、俺はどちらかと言うとイケメンの部類に属する。身長はそれなりにあるし、顔もまあいい。自分で言ってるんじゃなくて、周りが言うんだから仕方ない。「シュン君ってまあいいよね」。皮肉か。
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