208人が本棚に入れています
本棚に追加
「パラダイスとはまた違う気がするけどね」
春也が笑いながら翔太に言う。
「だって、青い海!白い砂浜!んでもって金持ち春也くんのデカイ別荘やろ?もうパラダイスやで~」
翔太は両手を合わせて満面の幸せそうな笑顔を覗かせている。
春也は翔太の褒め言葉を聞いてもあまり嬉しそうにしていない。
──…これが金持ちの余裕ってか。
それとも自分が金持ちでいるのがイヤなのか。
「ホント翔太ってガキっぽいな」
「それは時ちゃんだって同じや」
翔太が一指し指を立てて、時風を見る。
「俺はガキじゃねぇ」
「どこがやねん。強がって大人ぶって?でも実は人一倍人見知りだったり、寂しがり屋だったりする。これが時ちゃんやで」
「…はいはい。そーですね」
「あ~、またそうやって不機嫌になる~…。そこも時ちゃんのガキっぽい一面の1つなんやで」
最初のコメントを投稿しよう!