10人

2/18
前へ
/97ページ
次へ
部屋に入ると俺はベッドにダイブした。 部屋にはベッドが1つとシャワールームがついて、狭いけど案外いい部屋やと思う。 秀樹は今すぐ帰りたそうな顔やったなぁ。 不気味なのは確かにそうやけど、血の痕なんて気にせぇへんかったら普通の別荘やんか。 昔に殺人があったにしろ昔は昔。今は今やで。 俺がそんなことを考えてたらドアをノックする音が聞こえた。 「翔太、いるか?」 ドアの向こうから聞こえる声は秀樹のものやった。 「おるでー。鍵開いてるから入れよ」 そう言うと秀樹はドアを開けて部屋の中に入った。 「どうしたんや?」 「なぁ…、翔太。お前、俺のこと嫌ってる?」 「…っは?何や?いきなり…」 「わかってるよ。みんなが冗談なのは。わかってるんだ。でもよ、不安なんだよ。本気でこいつらはこう思ってるんじゃないかって」 「…何の話や?」 「俺…お前らの冗談がよ…笑い声が怖いんだよ」
/97ページ

最初のコメントを投稿しよう!

208人が本棚に入れています
本棚に追加