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「有り難う、リン」
赤い、ルビーがしっくりと胸元に馴染む。光を吸収し、内側からルビーは輝いた。
「どういたしまして、レン」
不意に、風がリンの髪を散らす。日光を浴び、金色は更に、色を増した。
「リン…」
跪いたまま、レンはリンに手を差し出した。流れるように、優雅に、リンは手を添える。
「リリエンヌ王女、この度の即位、おめでとうございます」
少しだけ、温度が低くなる。空気も止まったようだ。
「私、アレンは、未来永劫の忠誠をリリエンヌ王女に誓います」
静かに立ち上がると。澄んだ瞳がリンにぶつかった。
「レン…?」
突然の誓いに、リンは眉を寄せる。レンははにかむだけだ。
「だから、ずっと、笑っていて下さい」
たとえ、世界の全てが。
君の敵になってしまっても。
僕が君を守るから。
だから、笑い続けていて。
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