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「それら」は着実に増加していた。
「それら」はどこからともなく発生しやッて来る。
今日も日本の都心部では「それら」が暴れていた。
その低い唸り声は何度聞いても慣れることはなく人々は「それら」に恐怖を抱く毎日だ。
『きゃあああ!!出たわ!!悪魔(デビル)よおお!!』
40代後半であろう、スーツを着用し黒ぶちの眼鏡をした女の声が通りに響いた。
『エッ天使(エンジェル)を呼べ!あッあれに捕まッたら殺されるぞ!!』
サラリーマン風の男はワナワナと震えながら逃げだした。
その後を追うようにデビルと呼ばれたそれは地面をはいつくばるように進みだした。
姿は猪のような身体にゼリーのような体液がポタポタと滴ッている。オオオオと声にならない声を発しそれはさらに都心部へと進んでいるようだ。
『エンジェルはまだかしらッ!!?』
通りを行き交ッていた人々はそのエンジェルと呼ばれる何かを待ッていた。
その時だッた。空の彼方から太陽を背に大きな翼を羽ばたかせ1つの影が舞い降りた。
その翼の持ち主の耳に付いた小型のトランシーバーから音がもれた。
??≪ジジ…ローズ聞こえるか?標的は丸ビルの東250メートルだ。速攻で片付けて帰ッて来い≫
??『…了解』
その者が地上に舞い降りると翼はフッと消えた。
『エンジェルよッ!エンジェルが来てくれたわッ!!』
『おおお!!頼むぞエンジェル!!』
エンジェルと呼ばれたのは1人の少女だッた。
少女はデビルに向かい1歩を踏み出した。
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