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そんなみずほを見て、村人は当然尋ねます、
田中A
「ちくわ?」
みずほ
「いえすあいあむ」
田中A&みずほ
「「いえーい」」
村人とみずほは意気投合して、そのまま一緒に駅に向かいます。
しかし電車には自転車と村人は持ち込めません。
仕方なく、みずほは自転車と村人をごみ箱に捨てて、電車に乗ります。
みずほの乗る電車はJRの横須賀線。
乗る時刻は、大体9時頃です。学校は8時30分から始まっていますが、ゆとり教育なので大丈夫だと思います。
みずほはホームの端から端までを全力疾走しながら電車を待ちます。
色んな人がみずほの奇行に注目します。
やがて、駅員の一人がみずほに声をかけてきます。
田中B
「田中Aが死んだのは俺の責任だったんだ…。俺がもっと強ければ…っ、田中Aは死なずにすんだのに…」
みずほ
「気に…しないで下さい。田中Aが死んだのは…誰のせいでも無かったんです」
私達の間には友情が芽生えました。
しかし、別れの時はやってきます。
JR横須賀線が、ホームにやって来たのです。
田中B
「じゃあなみずほ…。お前と過ごした日々…悪くなかったぜ」
みずほ
「ちょww まじウケるww」
私の言葉を合図にしたかのように、横須賀線のドアがしまります。
ドアの向こうで駅員は笑います。私も釣られて笑うと見せ掛けて笑います。
みずほ
「…ふっ…弱い生き物ですね…。人間ってやつは」
吊り革にぶら下がって、懸垂とかさかあがりとかしつつ、私は遠い空を見上げます。
今日も、暑くなりそうです。
ちなみに、今は冬でした。
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