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大きな石製の水槽の水は透き通っていて、水面の揺らめきは底の方に網の目の様な影を作っていた。
太陽の白い光が反射していて、水の中には緑色やオレンヂ色の線が底の方まで延びている。
それを見た時、真っ先に浮かんだものは、フナの鱗だった。脂ぎった虹色を浮かべた、触るのもためらう様な、フナの鱗だった。
この綺麗な水と一緒にしたくはなかったが、何度考え直してみても、浮かんでくるのは汚らしいフナの鱗だった。
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