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『ピリリリリリ……』
………。
『ピリリリリリ…。』
………電話か………。
いい夢を見ている時はいつも決まってこうだ………
何のへんてつもない、電話のコール音が静寂の闇夜を切り裂くノイズとなり、部屋中に鳴り響く。
お陰で、夢の中までノイズだらけだ……。
『ピリりリ…』
『…フーッ…分かったよ…。』
完全に起きたわけでもない俺は手探りで電話を探す。
『確か昨日寝る前にこの辺に………』
『ピリリリリリ…』
まだ鳴る。
『いい加減しつこいな…』
まだ電話を発見できず…
手探りで探しまくる…。
『アレ？この辺だったよな？』
『ピリりリーりー』
『うるせーな。』
……つーか電話ねぇーよ。
いい加減起きて探せば済む話だが、
それでは気が済まない。
半分意地になってるのも事実だ。
何がなんでも目を閉じた状態で、手探りで探し当てるまでは目を開けない！
という、俺的ルールが発動
『ピリリピリピリプーッ』
……ハイ。
……負けました。
ルール決定僅か五秒でKO。
途中から有り得ないコール音も混ざっていたし、
俺の完敗だよ……。
『しょうがねぇ…。』
俺は重い体とマブタを起こした。
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