ぜんまいと子守唄

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目覚めた時、僕は一人だった。 周りを見てみたけど、黒く塗りつぶされている世界は何も見ることができない。 何か聞こえないかな、と思って耳をすませてみるけど、何も聞こえない。 ここがどこかも分からない。 僕の体は自然と恐怖で震えていた。 目が慣れてくると、黒い部屋の中の様子もなんとなく見えてきた。 見えてきたはいいけど、部屋の中には何もないみたい。 これなら見えても見えなくても同じだったかも…………。 そんなことを思ってはぁ、とため息をついた。 ため息をついた時、僕は腕に何かがついているのにようやく気付いた。 腕を上げてみると、赤い手錠みたいだった。 だけど、どうして赤いんだろう………? なんだか血の色みたいな赤だなぁ。   
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