出会い

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「ねぇ?」 突然声を掛けられた私は 飛び上がりそうなくらい驚き 心臓は爆発しそうなくらいに 激しく鼓動した。 ゆっくりとした動作で 金網から手を離しながら おそるおそる、 声の主の方を見る。 その人は 綺麗な人だった。 まっすぐ私を見つめていた。 「ねぇ、そこから何が見えるの?」 (…?) ちょっとおかしい人 なのかと思った。 ここから 「何が見えるか」 だなんて 一般常識を持った 人間ならば 聞くまでもなく わかることだし、 この近くにある高校の 制服を着ている 私より明らかに年上の その女性が 少なくとも 高速道路の存在を知らない なんていうことは ないだろうと思った。 そんな感じで 私はよくわからない質問に 答えられず なんとなく気まずくて 下を向いて黙っていた。
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