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いつもなら私は必ず謝っていた。
でも今回は謝らない。絶対。
「お前が……お前が悪いんだからな。お前が…………。」
そういうとヒロトは殴るのをやめた。
「……愛奈、逃げて。」
「え?」
ヒロトの口から出た言葉は意外なものだった。
「愛奈が…壊れちゃう……俺から…にげて。」
私は家を出る準備を既にしていたのでその荷物を持ち、玄関へ走って逃げた。
ドアを開けて出ていくときに
『愛してる』
と小さな声が背中の向こうから聞こえてきた。
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