nonstop rain

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初めて君を 誘った日は 通り雨の多い日だった もう少し君を深く知った二回目のデートの日は 雲に覆われた日だった 三回目のデート 四回… 五回… と重ねる僕等の恋を 空は まるで祝福するかのように 穏やかな晴れ空から溶けそうなほどの暑い空へと 僕等に共鳴しているように 移りゆく… あれから1年… 何回のデートを重ねてきたのだろうか 君を知るたびに 光を強めた 空模様が 僕等の今をあらわすように 雲づいている なにという特別なことがあったわけではないの… ただ もう好きじゃないの… そう ポツリつぶやいた君 どんよりした雲が僕らを覆いだし さよなら… と雨がポツリ ありがとう…と雨がまた ポツリ 元気でね…と 雨が またポツリ 黙って聴くだけしかできなかった僕は 君の雨に 濡れていた 傘もさせずに 降り止むことがない君が降らせた雨は いまも相変わらず 僕を濡らしている ただひとつ君が残した最後の雨に 僕はいまだに 濡れている とても痛い雨だよ 突き刺さるように いつか止むことを 僕は望んでいるようで どこか 君を忘れたくないとどうしようもない僕がいて いつまでも止まないことを願っているのかも知れないimage=304249516.jpg
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