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「………何だこれ?」
教室の窓際の席で足組みしながら本を読んでいる少年は、最初の1ページだけ読み終えるとそれを閉じボソリと呟いた
「あれ?薫何読んでんの?」
その少年に一人の少女が声を掛けてきた
「あぁ…なんだ憂か…」
薫と呼ばれた少年は気怠そうに声がした方向を見ると残念そうにそう言う
「何だとは何だ!つかなんだそのテンションの低さ!」
憂と呼ばれた少女は顔を真っ赤にさせ突っかかるように薫に言う
「お前じゃなくてもっと美人な女の子が声を掛けてきたらハイテンションになるさ。ほら長谷川さんとか」
薫は教室ね真ん中を指差しながら言う
「…ぶっ叩いていい?」
「おー怖っ…」
本を読んでいた少年の名前は『紫藤 薫(シドウ カオル)』
目が隠れる程に伸びた黒髪が印象的な落ち着きのある少年だ
そして今にも爆発しそうなぐらい震えてる少女が『御崎 憂(ミサキ ユウ)』
少し茶色がかった髪を一束後ろで結び、小さめのポニーテールをしている活発そうな少女だ
「歯ぁ食いしばりなよ~っ!」
憂は後ろに思いっきり手をパーにした状態で振りかぶり、
「ほら帰りのHR始まるぞ。そんな物騒なモン下げて大人しく座れって」
先生と思われる男性が扉から教室に入ってきた
周りで喋っていた生徒は次々と席に着いていく
「ぐぐぐ…!あとで絶対ぶん殴ってやる!」
憂は振りかぶっていた手を下ろし、悔しそうに自分の席に着いた
(終わったらダッシュで帰るか…)
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