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「はぁ~…何で俺がこんな事…」
薫は学校の校門で竹箒で落ち葉を集めていた
あの後、こってりと剛多に説教された挙げ句、バリカンで強制坊主をされそうになったが、校門の掃除と次までには髪を切っておくという約束でなんとかそれは防げたようだ
「よし、もうこれぐらいでいいだろ」
薫は竹箒を所定の場所に直し、門に立て掛けていた鞄を持ち上げた
「ったくあのゴリラ、髪ごときでごちゃごちゃ喚きやがって…いつか絶対あいつの竹刀へし折ってやる」
「し~どう君っ!」
「!!」
薫は突然後ろから肩を叩かれ、体が少し飛び上がる
「あぁ…何だ長谷川か」
薫に声を掛けてきたのは『長谷川 真澄(ハセガワマスミ)』さっき薫が指差していた少女、そして薫のクラスの委員長でもある
「紫藤君が掃除なんて珍しいね」
「俺が掃除するのがそんなに珍しいのか?」
薫は少し目を細め首を傾ける
「うーん、いつも面倒くさそうに掃除やってるから校門の掃除をするなんてらしくないな~って」
「らしくないな、か…。ま、確かにそうだな。俺は今から帰るが長谷川は?」
薫は鞄を担ぎ、長谷川に聞く
「一緒に帰ろうって思って声かけたんだけど?」
「そうだったのか…なら一緒に帰るか」
二人は横に並び、会話をしながら校門を出た
「そういえば何で掃除してたの?」
「………慈善活動」
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