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マンションや一軒家が立ち並ぶ住宅街────
そんな中を二人は仲良く喋りながら歩いていた
「ねぇ、なんでさっき教室で私の事指差しながら憂ちゃんと喋ってたの?」
長谷川はハッと思い付いたように薫に尋ねた
「ん?あれは長谷川みたいな美人に話し掛けられるとテンションが上がるって話を憂に言ったんだよ」
長谷川は薫の少し大胆な発言に少し目を見開くが、口に手を当ててクスリと笑う
「フフフッ美人ってそんなにストレートに言われると恥ずかしいなちょっと…」
「事実だ、そしてそれが真実。もし良かったら付き合」
「お断り!駄目だよ?誰にでもそんな事言っちゃ。軽い男って思われるよ?」
「む……」
薫は軽く落ち込んでいると、長谷川はある一軒の家の前で止まった
「私の家、ここだから。一緒に帰れて楽しかったよ!」
長谷川が自宅だと言う家を少し見ると、その家の正面の反対側を見て
「…俺ここのマンションなんだが」
薫は道を挟んで長谷川の家の反対にあるマンションを指差す
「え!?ここだったの!?」
長谷川はマンションと薫と自分の家を交互に見ながら驚いていた
まず、お互い同じ高校に通っておいて今まで気がつかなかった方が奇跡である
「なんで今までお互い気付かなかったんだろうな?うん、これは運命だな。付き」
「クドいよ?」
度々の薫のアプローチに長谷川はどこか黒さが見える笑顔で答える
薫はその笑顔を見て少しひいていた
「なんなら後で遊びに来るか?お茶菓子くらいなら出すぞ?言っておくが、これは下心なしだ」
丸見えな気もするが
「そう?ならお邪魔しようかな。何号室?」
口に人差し指を当て、少し考えた後、今度は黒さが見えない笑顔で答える
「501号室だ。では先に待ってる」
二人はそれぞれ自分の家に帰っていた
しかし、薫は今から自宅に女性が来るというのにも関わらず、その顔はどこか険しく鋭い目つきをしていた
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