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そして時刻は夕刻になり…
『ピーンポーン』
「はいよー」
今鳴ったのは薫のマンションのチャイムの音
薫は玄関へと向かい、扉を開ける
「本当に来たよ?」
「来てくれなければ俺が困る」
扉の向こうに居たのは長谷川、先程の薫の招待通り来たのだ
長谷川の格好は制服ではなく、白いワンピースに着替えている
薫も黒のTシャツにジーパンにへと着替えている
しかし薫は扉を開けたままの状態でそれから動こうとしない
「あの…紫藤君?中には入れてくれないのかな?」
「ああ…それだが一つ、長谷川に聞きだい事があるんだが」
薫はまだ扉に手を掛けた状態のまま、長谷川の顔を真っ直ぐ見つめながら言う
「聞きたい事?」
「実は今家には不味いインスタントコーヒーか水道水しかなくてな…そこで提案なんだが二人で近くのコンビニまで行ってそのまま公園で話さないか?」
「いや別にいいけど…公園なんかでいいの?」
長谷川は首を傾げながら聞く
「今日はまだ春だし風も気持ちいいしな。外で喋るってのもなかなかいいぞ?」
「わかったわ。いいよ?」
「そうかなら行くか」
薫は長谷川の返事を聞くと、そのまま外に出てきて扉を閉めた
「最初から行く気満々だったんじゃないの?」
「俺は長谷川を信じていた」
「フフッなにそれ」
二人は揃ってマンションを出、コンビニへと向かった
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