転入生の女の子

新学期

俺、神崎 貴大(ｶﾝｻﾞｷ ﾀｶﾋﾛ)
青春真っ盛りの中学3年生だ。

俺は今、色鮮やかに彩られた桜並木を通り抜け、昇降口に張り出された新しいクラス名簿を眺めている。

｢グッモーニン、神崎｣

挨拶をされたので声の方へ振り向いた。

こいつは石川 遵(ｲｼｶﾜ ｼﾞｭﾝ)。みんなからｼﾞｭﾝと呼ばれてる。

小学校から中２まで一緒のクラスで俺の親友だ。

しかし、モテ要素満載のとこや彼女持ちなとこは許せない。

羨ましい奴め。

｢はぁ…グッモーニン、ｼﾞｭﾝ｣
あ、溜息ついちゃった。

｢おいおい朝からテンション低いな。新学期早々何かあったか？｣

まぁ、君のせいっちゃあ君のせいだよね

｢はぁ…何でもない｣
また溜息をついてしまった。

｢あっそ、とりあえずクラス確認しようぜ｣

もうなんでもいいや、と思いながらクラス名簿へと視線を変えた。