新学期

6/20
前へ
/130ページ
次へ
それを聞いていた彼女はいきなり喜びだした。 「ほんと!?ヤッター!!私も3組だよ!」 彼女の言葉で俺の小さな望みなんてどうでもいいと思った。 理由…俺は彼女に片想いをしているから。 同じクラスになった今年、必ずこの想いを伝えてやる! って、え? なんか俺の手に柔らかいのが… 手に視線をやると、彼女が俺の手を小さな両手で握り締めていた。 えぇぇぇぇ!? 「よろしくね、貴大君!」 っと、また100点満点の笑顔。 カァァァ… 俺の恥ずかしさは最高潮まで達し、顔は一瞬のうちに真っ赤になった。 それに耐えきれず、中川の手を振り払って教室へ走った。 「え!?貴大君!?」 困惑する彼女そっちのけで走り続けた。
/130ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加