3人が本棚に入れています
本棚に追加
「朝が来たから起こした…等という理由では納得しないのだろうな、甥殿は。」
「当たり前だ。何かあったんだろ?」
オリエッセとヘルラージ、レプランは互いを見合わせた。
「私から話そう。」
そう言ったのはヘルラージだった。
ヘルラージの屋敷の薔薇園が何者かに襲われた事を話し終えると黙って聞いていたヴァルキとルードゥが考え込んだ。
「ヘルラージ伯、それと私が関係あるのか?」
ルードゥは思いつかなかったらしく怪訝な表情でヘルラージを見た。
ヘルラージは腕を組み、溜息をついた。
「判らない…」
「なぁ、ルードゥ。一つ聞いてもいいか?」
「…何だ?」
ヴァルキが問いかけるとルードゥの機嫌が悪くなる。
ヴァルキは気にもせずにルードゥを見据えた。
「お前に母親の復活を唆せたのは誰だ?」
「は?」
ルードゥはマヌケな返事をしてしまう。
こんな時にその質問は何だ?と言いたそうだ。
「お前に嘘の過去を吹き込んだのと死者の書を渡した者らが生きているなら何か企んでいるとは思わないか?」
ヴァルキの言葉に、そういえば…とルードゥは考え込む。
クォーターの娘、メイランを生贄にしようとした時にはあの男の姿はなかった。
あの時は考える間も無いし、それ所ではなかった。
.
最初のコメントを投稿しよう!