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「お前の言う通りかもしれんな。」
ルードゥがヴァルキを見据えた。
「あの男が何かを企み、私を操っていた…という事か。
素性すら知らん奴だったのに、何故私は信じてしまったのだろう。」
不思議でならない。
嘘の過去を吹き込まれ、ヴァルキとヴァルキの父を憎ませて死者を蘇らせよえとした…。
それを何故信じた?
「ヴァルキさんよ。」
ルードゥの思考を止めたのはレプランだった。
「どうした、レプラン?」
「お前、ヘルラージの話で、何でその話に飛ぶんだ?」
頬杖ついて呆れた表情を浮かべたレプラン。
「もしかしたら繋がってるのかもしれない。」
根拠は全く無いが、そう感じてならない。
ルードゥで、失敗したから次の作戦に移った。
だが、それなら何故直ぐに行動せずに今なのか。
考えれば考える程、次から次へと謎が増えていく。
「ふむ、これでは埒があかんな。」
溜息を零したのはオリエッセ。
一度、ベルサージュ領のヘルラージの屋敷へ向かうこととなった。
屋敷の窓から外を見つめる一人の幼子。
見た目は少年のようだ。
収まりの悪い癖っ毛の蜂蜜色の髪を風に靡かせている。
その少年の背後に膝をつく男が二人。
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