第一章 茨の封印

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「お前の言う通りかもしれんな。」 ルードゥがヴァルキを見据えた。 「あの男が何かを企み、私を操っていた…という事か。 素性すら知らん奴だったのに、何故私は信じてしまったのだろう。」 不思議でならない。 嘘の過去を吹き込まれ、ヴァルキとヴァルキの父を憎ませて死者を蘇らせよえとした…。 それを何故信じた? 「ヴァルキさんよ。」 ルードゥの思考を止めたのはレプランだった。 「どうした、レプラン?」 「お前、ヘルラージの話で、何でその話に飛ぶんだ?」 頬杖ついて呆れた表情を浮かべたレプラン。 「もしかしたら繋がってるのかもしれない。」 根拠は全く無いが、そう感じてならない。 ルードゥで、失敗したから次の作戦に移った。 だが、それなら何故直ぐに行動せずに今なのか。 考えれば考える程、次から次へと謎が増えていく。 「ふむ、これでは埒があかんな。」 溜息を零したのはオリエッセ。 一度、ベルサージュ領のヘルラージの屋敷へ向かうこととなった。 屋敷の窓から外を見つめる一人の幼子。 見た目は少年のようだ。 収まりの悪い癖っ毛の蜂蜜色の髪を風に靡かせている。 その少年の背後に膝をつく男が二人。 .
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