第二章 二人の薔薇の王

5/6
前へ
/26ページ
次へ
屋敷内、応接間に場所を移したヴァルキ達は使用人が運んできた薔薇の紅茶を飲み寛いでいた。 「やっぱり落ち着くな、この香り。」 ヴァルキがそう言うのを聞いたレプランが溜息。 「お前ねぇ…まだ若いってのに年寄りみたいな事を。」 「一年近くも飲まず食わずで寝てたんだ、仕方ないだろ。」 「そうだが…だからって…」 2人のやりとりを聞いてクスクス笑うのはヘルラージとオリエッセ。 ルードゥはポカンとしている。 「まぁ、気に入って頂けたのなら私も嬉しい限りだ。」 「どうした、伯?」 呆気に取られていたルードゥはオリエッセに呼ばれて、ハッとする。 「あ…いや。」 「羨ましいのか?」 「そんな訳ないだろ!」 ヴァルキの揶揄にルードゥが即反論に出る。 するとクスクス笑い出すヴァルキ。 「何がおかしいっ!」 「ルードゥのそういう反応見てると、俺と対して変わらないんだな。」 「は?意味の判らない事を。」 ふいっとそっぽをむいたルードゥ。 実年齢はヴァルキと変わらない。 ヴァルキと関わるうちに自分らしさを取り戻していく感じがした。 今までは純血のヴァンパイアとして振る舞おうとし仮面をつけて自分を作り上げていた。 それが今では…。 .
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加