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第一章 茨の封印
脈打つ音が聞こえる
鼓動が聞こえる
茨の中で彼等の鼓動が…
アクラツエル領のドォルガラから離れた町、エフォク。
研究者が多いことで知られている、この町の一件の家。
そこに彼はいた。
犬のチョコビは大きくなり彼の足下で眠っていた。
ノック音が聞こえ、彼は漸く顔を上げ眼鏡を外す。
扉に近付いて開くと貴族のような男、オリエッセが立っていた。
「やぁ、レプラン。久しいな」
「オリエッセ!久し振りだな。」
久々の再会に喜ぶ彼、レプランはオリエッセを家の中に招き入れた。
「随分と大きくなったな。」
犬のチョコビを見て驚いた様子のオリエッセは本来の目的を思い出す。
「研究は進んでるのか?」
「…なかなか、進まなくてな」
レプランは苦笑して机の上の資料を手に取る。
ベルサージュのヘルラージから資料を借りては研究を続けていたが、まだ確信が持てないらしい。
彼が研究しているものは、ドォルガラの街外れにある森。
嘗て、暗く枯れ果てた不気味な森が一年前に茨によって埋め尽くされた森。
茨から咲いた薔薇がベルサージュの薔薇ということからヘルラージの屋敷にある古代書等がヒントになると思い調べていた訳だが…。
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