第一章 茨の封印

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「良いこと教えてやろうか?」 「良いこと?」 首を傾げたレプランにオリエッセは薔薇園での襲撃の事を話す。 「大丈夫だったのか?」 「大した奴らじゃなかったからな。 ところで、この話はヒントになるだろうか。」 レプランはキョトンとした。 今の話にヒントがある? どういうことかと問う前にレプランはハッとした。 「茨っ!ヘルラージと薔薇園の茨…そしてあの茨はベルサージュの茨だ!」 「何かわかりそうか?」 「大きなヒントだ! それにしても…相変わらずだな、オリエッセ。」 首を傾げたオリエッセ。 レプランは紅茶を差し出した。 「そうやって、一歩前に居て道を示すようなとこ。」 「そうだろうか」 「あぁ…。」 目を伏せたレプラン。 オリエッセは思い出していた。 つい一年前、甥が最後にオリエッセに言った言葉。 レプランと似たような言葉だった。 「…さて、どうするレプラン。」 茶を一口飲んだオリエッセは微笑んでいた。 レプランは茶を飲み干すとニヤリと笑う。 「決まってるさ、ベルサージュに向かう。」 「判った、行こう」 レプランとオリエッセは馬に乗りベルサージュ家へと向かう。 犬のチョコビはその後を追いかけた。 ベルサージュ家につく頃には夜になっていた。 .
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