第一章 茨の封印

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「久しいな、レプラン。」 出迎えてくれたヘルラージからは相変わらず薔薇の香りが漂う。 「久し振り、ヘルラージ。 早速だが話があるんだ。」 レプランの気迫にヘルラージはキョトンとしたがクスッと笑って中へ招き入れた。 「まぁ、寛いでくれ。 それで話とは?」 ワインをグラスへ注ぎながら問い掛けるヘルラージの言葉にレプランはグラスを置く。 「オリエッセから話を聞いたんだがここの薔薇や茨を操れるみたいだな?」 「あぁ」 「ドォルガラのあの森にある茨がここと同じなら…あの茨もヘルラージならどうにか出来るかもしれないんだ。」 酒を煽っていたヘルラージはキョトンとしてグラスをテーブルに置く。 「本当か?」 「確信がない…だが、ベルサージュの薔薇と同じなら操れるはずなんだ。」 「なるほど…試す価値はあるな。」 足を組み直し、ヘルラージは菫色の目を細めた。 その目をじっと見つめるレプラン。 「やってくれるか?」 「いいだろう、やってみようではないか。」 「乗り気なのはいいが、今は遅い。 明朝ドォルガラへ向かおう。」 そう言ってオリエッセはグラスを掲げた。 それに応えるようにヘルラージとレプランもグラスを掲げ、カチンと鳴らす。 .
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