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「光輝ー!朝よー!!」
下から母さんが叫ぶ声が聞こえた。
俺はベットの脇に置いてある杖を持って下に降りた。
「あら、杖を持って・・・
どこかに出かけるの?」
「あぁ、うん少し怖い夢を見たから、太陽の光を浴びようと思って・・・」
「そう?気をつけていくのよ。」
目が見えなくても、太陽の光の温かさは感じることができる。
俺の楽しみだった。
目が見えない分、俺の耳や触感などは人よりも数倍敏感で、一人で出かけるのも、そんなに不自由はしなかった。
しかし先の見えない暗闇に俺は毎日何の意味もなく過ごしていた。
そんな俺の人生は
少しづつ崩壊してゆく。
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