新人歓迎会

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「ぱぱぁ」 「ひか、オハヨー」 「おはょ…ぱぱぁ?」 「ん?」 「ままが、ぱぱぁ遅いって」 「ん…ごめんね。できるだけ早く帰ってくるよ」 「…」 「ひか…ごめんね」 母が幼い私をそっと抱き上げる。 「いってらしゃい」 「…ばいばぃ」 「行ってきまーす」 父は、私の頭を撫でて、ニッコリ笑ってドアを閉めた。 それが私達親子の最後の幸せな時間だとは誰も知らなかった。
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