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あたしは自己紹介が終わると勢いよく立ち上がった。
「力也…君?」
あたしは少しの期待を込めて名前を呼ぶと、力也君と思っていた人からの返事より奏先生の注意のほうが早かった。
「まだHRの途中だから座っててね」
「あ…はい、ごめんなさい」
席に座ると澪ちゃんが話しかけてきた。
「知り合いなの?」
「分かんない…同姓同名かもしれないしね」
はぁ…
力也君には会えないのかな?
「大丈夫?泣きそうだよ?」
澪ちゃんは優しくあたしの頭を撫でてくれる。
「大丈夫だよ、ありがと」
澪ちゃんとの話しが終わると、奏先生が話しだした。
「入学式は10時からだから、それまで適当に寛いでいていいよ」
奏先生はそう言うと、教室を出ていった。
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