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しばらくすると、アナウンスが聞こえてきた。
「えぇ~約10分後に停車します。なのでぇ~みなさん、荷物をまとめ、降りる準備をしてください、くりかえします、えぇ~・・・」
なんとやる気のないアナウンスだ。
この先だい丈夫なのだろうかと思うぐらいだ、
「着くのはいいんだけど、私たち実際何をするんだろう」
「どうせ政府の為に働くんやろ?俺もこんなの断りたかったけどな、なんか刃向かったら、殺されるとか聞いたで?
国家反逆罪?とかなんたらかんたらって。」
明の言葉に謙悟はどこか納得した様子だったのか。
親がどうにかしてなんとかならないかと悩んでいた事はそれだったのかと、思っていた。
「どうせ戦争始まって、食糧不足にならんために、家畜の世話でもするんやろ?」
「そうなのかなぁ~。」
そうこうしているうちに、電車が止まった、
「おっ、止まったな?ほな行きましょか。」
ホームに降りると、変な違和感に気づいた。
正午だというのに、外の明かりが一つもない、いや違う。
ホームの窓という窓に黒い布が垂れ下がっていた、
「なんやねんこれ?何のためにこんなしてんねん?」
僕はふと思ったここが何処かをわからせないようにするため?
謙悟の考えは正しかった、ホームを出て車に乗り込む時も黒いドームの中を歩かされて車に乗った。
案の定、車の窓も当たり前のように無かった、
「なんか嫌やな。気持ち悪いわ。」
「私さっきは安心してたのに、また不安になってきた。
」
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