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天気の良い快晴の朝、僕は自然に囲まれた学校の教室で一時間目の授業を受けていた。
横目で外を見ると山武杉がいくつも立っていて、緑が美しい。
教科は数学Ⅱで担当教員はいつも生徒と仲良しで優しく、しかしきっちりなんでもこなす高橋先生。
『天気がいいな~、こんな日はどこかに行きたいよ…』
僕は授業よりこんな事を考えていた。
数2(数学Ⅱ)なんてやっても将来役立たないだろ、と思いながらボールペンを分解していると
「は~い、じゃあ魚沼。ここ頼むなー」
は!やばい「え~…わかりません…」
「お前、なにか考えてたのかぁ?授業には集中しろよな」
「はい、すみません」
ちょっぴりしょげてしまい、椅子に静かに座ると早速
「おめぇー、エロいこと考えてたんじゃねーの?」
と来宮が変な話をしてくる。
「考えてねぇよ、もぅ、なんだよ」
呆れて前を向き板書する。
「先生!魚沼君が携帯いじってまーす」
「おいゴルァ、お前、なんてこと言うんだよ…」
クラスの視線がなぜか痛い
「なんだとぉ~」と先生がよってくる
「なんにもないですよ」
「ん~、だな。来宮、お前は少し口が軽い。静かにしろ!」
「へぇい」
まったく、来宮は反省していないようだ。
「あ、先生。」
「ん?なんだ?問題がわからないか?」
「いえ、先生は廃墟とか廃止された物は好き…というか興味ありますか?」
僕はなんでこんな質問をしてしまったのか、わからなかったが、先生は素直に答えてくれた。
「オレは嫌だな。幽霊にでも取り付かれたらどうすんだ。お前、まさかさっきの上の空も、そんな事を考えていたんじゃないか?」
予想が的中した、というより僕の話から的中してもおかしくないのだろう。
僕は「はい、そうでした。あぁ、すみません」と言い、教室は再び授業になる。
『廃墟、廃線、廃止トンネルか…
どんなところなんだろう』
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