思い付き

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「話してみよう」と言ったものの、僕は正直なところは生半可な気持ちで居た。 だが、一人だけ話のわからないウルサイヤツがいた。 来宮だ。 あの話以来、「やっぱ行きたい!」「いきてぇー!!!」「どんなところなんだー」と一人で盛り上がっていた。 そんなに行きたいなら一人で行ってしまえ。 あ、話を持ち出したのは僕か、とついガックリしてしまう。 そんな暇も無く、来宮は 「おい魚沼ぁ!計画はいつするんだ!」 と容赦無く話しかけてくる。 なんども話しかけて来るので呆れた僕はシカトした。 「お・い、オ~レ~の~は~な~し~を~聞~い~て~い~ま~す~か~」 顔と顔の距離が30センチくらいに近くなったので思わず「うおぁ!」と声を上げてしまう。 こんなニキビだらけの気持ち良くない顔が近くに来るな、と思い仕方なく 「計画はするよ」 と言ってしまった。 来宮は「うおー!キタキタキター!」 なにが来たんだよ? たったの計画だけでか? 来宮は一度決めたことは二度と変更しない。 僕は気づく 計画を承諾してしまった。 まだどこに行くかもわからないのに。
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