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テスト前になり、みんなが焦り始めていた。
テストがそんなに大事かなぁ、こんな学力社会なんか…とくだらない思考を働かせてしまう。
僕がやった勉強と言えば英語の教科書を見ただけで、他は本屋で廃線の雑誌を読んだり、模型をやったりしている。
『将来がなんだ、勉強がなんだ。人間は勉強が出来ても犯罪を起こす者も居れば、常識を知らない人もいる。
日本は学力社会だが、これはどうにかしてる気もする。
しょせん、勉強が苦手な僕の偏見でしかないけどね。』
偏見を心で言い、一日一日が過ぎ去るのを感じる。
そんな日々が続き、12月16日に3日間のテストが始まった。
結果はずたずただった。
『まあ僕だし』
と開き直る。
僕のいけないクセだ。
この時はすでに、廃墟探索の事は頭から離れていた。
あのウルサイ来宮でさえも黙っていたのだから。
と思っていたら、来宮は忘れていなかったらしく、こいつの言葉がスコールのように僕に降り注ぐ。
まじやめてくれないかな。
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