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新沼さんが答えた。
「青森県には昔、杉沢村という村があったんだけどね、一人の若者が村人全員を斧で殺したの。」
そんな人の少ない村があるのか?と思い
「なんなんですか?それ。もう少し詳しくお願いしてもいいですか?」
つい敬語になってしまう。
新沼さんが話す
「うん、いいよ。この容疑者である若者はほとんどの村人から『恥さらし』『落ちこぼれ』などの酷い中傷をされていた。」
「うん…」
「でね、魚沼君も当然だと考えるとおもうけど、そんな中傷されてはウザイじゃない?」
「確かにね」
「そうしたら魚沼はどうする?毎日、親には叩かれ、ご飯は抜かれ、半分自由を奪われたような生活をしなくてはいけないの」
真剣な眼差しで新沼さんは言った。
「親を始め、中傷した人間に仕返しをするかな。」
僕も真面目に答えてみる。
「オレもだ。」
来宮が入って来た。
「オレは殺…」
僕と来宮が顔を合わせて
「ん!じゃあまさか!!」
「そう、そのまさか。あまりに言われつづけた揚句、親をまず殺した。斧でね。」
グロい物には耐性のある僕はその状況があたまに浮かんで来た。
「それからは、気が狂ったのかな。近隣の村人を一人残らず斧で殺した。」
「ぅ…ん」
「とあるサイトでは首を切断し、死体を土手に並べたみたいだしね。」
「どれだけなんだよ…」
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