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授業終了まで十分。
そんなタイミングに教壇側のドアからノックする音がした。 千葉は「ん?」と視線を其方に向ける。
ガラッとドアをスライドさせて女の子が入室してきた。
古いドアの開閉音にクラス中の注目が集まり、次いで現れた見知らぬ女子に移動した。
皆の頭上には"?(ハテナ)"が浮かんでいる。
先生だけは分かっているようで「間に合ったね」と話し掛けていた。
そして、
「転校生を紹介する。」
先生の一言でクラスメート達は一気に状況が理解出来たらしく、転校生であるという美少女を前に盛り上がった。
「うおおぉぉおお!!まさかのステキイベントだあ!!」
「マジですか、先生!!マジでごさいまするかぁああ!」
「女神が!二年A組に女神が降臨なされたぞ!」
「俺の嫁!!」
「バカか!俺の嫁だ!!」
お分かり頂けるとは思うが、歓声は全て男子(バカ)たちのものだ。
女子生徒は冷ややかな目をしていた。
(こえ~ー‥)と千葉は思うが、声には出さなかった。
自分もわざわざ歓声を上げて女子生徒に引かれたくはない。
(つーか、お前ら。出逢い方としては転校生もクラスメートの女子もさして変わらねえだろうが。‥これ、女子に失礼じゃね?)
でも、千葉は思う。
転校生の女の子は確かに美少女だ。
何だかんだ言ったところで彼も男の子だった。
無意識の内にカワイイ転校生に見惚れていた。
佐久間はというと、転校生よりも千葉のリアクションを見ていた。
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