20XX年

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俺は駐車場へ車を止めて海に面していない方の倉庫に隣接する白い三階建ての研究所へ向かった。 自動扉をくぐり抜けそのまま真っ直ぐに進む。 すると後ろから 「滝川じゃねえか?」 と声がかかる。 いい忘れていたが俺の名前は滝川伸也(たきがわしんや)だ。 後ろを振り向くと俺と防大で同期だった松村翔平(まつむらしょうへい)がいた。 この間の人事異動でここに来ているのを確認していたが、まさか出会えるとは思っても見なかった。 「翔平!元気だったか?」 俺は久々の再会に心が弾んだ。 「元気だよ!お前こそ元気か?何も連絡ないから心配したよ。」 心配したという割りには顔が心配そうにしていない。 確かに見れば元気にしているのが分かるのでお世辞といったとこだろう。 俺と翔平は下らない雑談をしながら所長のいるところへと向かった。
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