20XX年

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ここの所長は防大時代にお世話になった井上政隆(いのうえまさたか)一等海佐がなっている事は知っていた。 十数年ぶりの再会となる。 《コンコン!》 所長室の扉をノックする。 「滝川三等海佐、並びに松村一等海尉入ります。」 と言って扉を開く。 すると目の前に懐かしい顔があった。 「滝川君。久しぶりだね~待っておったぞ。」 そう言いながら目の前のソファーへ座るように促す。 「君も立派になったの~ まぁ堅苦しい事は抜きでいいから。」 それから三十分ほど雑談をして今度は隣の倉庫へ向かう。 「見ろ!百五十五ミリ砲に向こうは九十式戦車だ!」 翔平は自分の事のようにはしゃいでいる。 倉庫内には他にも八九式装甲戦闘車や海自のSHー60jが一機止まっているが倉庫内はガランとしている。 「なぁ…翔平。これだけしか無いのか?」 隣にいる翔平へ尋ねる。 「まさか!今、第二倉庫内の『しれとこ』に搭載しているよ。」 お前知らないのか? という目でこちらを見る。 知るはずもない… 何しろ今日ここに来たばっかりだ…
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