クリスマス・イブのイブ(7)

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  「そういうことなら、俺たちは今回はただ事の成り行きを見守るだけで充分だな。もどかしい気持ちは残るが、警察に任せるのが一番だろう」  満足気に、柳は笑った。万事解決したと言わんばかりの笑顔に、知香は俯く。 「ええ……そうなんですけど」  歯切れの悪い返事に、柳は表情を固めた。 「どうした? まだ何かあるのか?」 「…………」  知香は上目遣いに、柳の顔を盗み見る。言っていいことなのだろうか。知香は迷った。 「実は僕たち、容疑者らしき男性が錦里さんに連行されるのを見たんだけど──」  横から入った写宮の台詞に、柳がきょとんとする。 「なんだ、結構進展してるんじゃないか」 「うん、まあ、そうなんだけどね」 「……妙に濁すな。どうした?」 「いやぁね」  深くソファに腰を沈めた写宮は、軽く躊躇するような間を取った。 「その人、父さんとこの医者らしいんだ。で、僕たちは事件の前に彼と知り合いになってる」  瞬間、痛ましげに柳が表情を曇らせた。「そうか」と呟き、知香に向き直る。 「桜井ちゃんにとって、それは辛いな。知り合った相手が、事件の容疑者なんて」 「しかしね、仁志くん」  労る柳の向かいから、写宮は話しかけた。  
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