クリスマス・イブのイブ(7)

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  「僕の見解だと、どうもそう簡単ではないようなんだ」 「どういうことだ」 「うん、……実はね」  パチリと、写宮の薄いまぶたが瞬いた。 「どうも彼にはアリバイがあるらしい」 「えっ」  黙って話を見守っていた知香は、思いがけない言葉に、跳ねるように顔を上げた。 「写宮くん、アリバイって?」 「なんだ、気付いてなかったの桜井」  きょとんと、写宮は知香を見やる。 「気付くってなにを……」 「名倉さんが連れていかれた少し後、警官が僕らに話を聞きに来たじゃない」 「うん、そうね」  そこで写宮はくるりと顔の向きを変え、「来たんだよ」と柳に状況説明をした。 「ああ」  柳が頷き、再び写宮の視線が知香に戻る。 「あの時、警官は僕たちに何を聞いた?」 「何を──」  記憶をたどり、問われた質問の内容を思い出してみる。 「『11時半頃、名倉さんに会いましたか』って」 「そう」  人差し指を立て、彼は頷く。目線で理解を求められた柳も、しっかりと頷いて答えた。  
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