虐め

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暗い、暗い日々。 一体いつからだろう? 素直に笑えなくなったのは…。 ―――― 「大悟!?何なの、この点数!!」 僕の母親は教育が全てだった。 教師として働き、現在は校長を勤めている。 「ごめんなさい…」 僕の通う小学校は私立の名門校。 一時は、その肩書きに満足していた母。 でも最初だけだった。 勉強が追いつかなくなって、テストは下から数えた方が早くなる。 そんな僕に、母は体罰を与える様になった。 殴ったり蹴ったり。 熱湯をかけられたり。 冬なのに氷水のお風呂に入れられたり。 でも僕は母が大好きだったんだ。 悪いのは何も出来ない僕の方。 僕が、もっとしっかりしてれば良かったのに。 だから僕は必死に塾へ通った。 極限まで頑張ったからかな? 気付けば僕は、塾でも学年でも一番の成績になった。 母が褒めてくれるのが嬉しくて。 泣きそうなくらい暖かくて。 思えば、その時が最大の幸せだったのかもしれない。
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